ムシムシと暑くなってきた日に愛架と一緒に図書室へと来た。


間違わないでほしいのは本を読みに来たんじゃないこと。本なんて滅多に読まないよね。


で、その理由はテスト勉強の為だったりする。


ムシムシするし、勉強嫌いだからやる気は起きないのだけど、どう足掻いたってやるしかないのだ。


「空いてる席は~~?っと……篠田さんがいる。篠田さんの周りの席確保ーー」


ウキウキした後をついて行く。


篠田さんが図書室で勉強。似合いすぎてなにも言えないよね。ピッタリだ。


「篠田さん。隣いいー?」


声を掛けられて顔を上げた篠田さんはパァッとなんとも明るい笑顔で「どうぞっ」と広げていた勉強道具を横にずらした。


その様子が何とも可愛い。


いつかの先輩がしつこかったのも頷け……何か今湊の事が頭を過った。


何でだろ。何だか髪、熱いや。