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……とは言いつつも、呼び出すのって中々難しい。
一緒に行こうかと言う愛架と仁に「子供じゃあるまいし、一人でいけるよ」と息巻いてしまったのは間違いだったか。
気分的にはすっきりしていて、行けると大丈夫と勘違いした結果とも言えるだろう。
ちゃんと言えば一年生の教室の前で立ち尽くしていた。
中を覗けば目当ての人物は机に突っ伏していて、起きる様子は無さそうだ。
「……」
ここにいて、何もせず困り果てていても仕方ない。出直そう。と思った時だった。
「ここ、先輩?」
「!」
久しぶりとも言える真理亜ちゃんに声を掛けられた。一年生の教室の前をウロウロしていたのだ。絶対会わないとは言えないのだから当然の事。
けど、確率の問題だと甘く見ていた。できれば彼女にはあまり顔を合わせたくなかったのに。勿論悪い意味ではないけど……。
少し頭が痛くなり頭を抑えたが、やってしまったと言う気持ちばかりがこの時占めていた。