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事件はそれから何日が経ったある日に起きたのだ。
『湊くん。綺麗な人と一緒にいたんだって』
学校に来ると、そんな噂が流れていた。
「心菜!どう言うこと!?」
バンッと机を叩いて問いただしてくる愛架。
噂って怖いよね。直ぐに回るし。
朔の事だから回るのかもね。あまり気にしてないから忘れてたけど、人気あるもんね。
「こーこーなー?」
「はいはい。只の噂でしょ?」
「でもさー……」
「私は見たものしか信じないし、聞くつもりもないよ」
「心菜はもう!」
軽く怒った表情を見せつつもそれ以上は食い下がって来なかった。
自分の目で見たものしか信じない。いつも思っていること。
でも本当はもし真実があるならそれを知るのが怖かったからかもしれない。