「謝らなくていいのよ。
 ただ、ね。
 エイプリルフールだから、私も、
 嘘をつかなくちゃいけないじゃない」


……エイプリルフールとは、
そういう日だったっけ?

嘘をつくのは、任意ではないだろうか。



まあ、そんな所も僕が彼女を
好きになった理由のひとつなのだけれど。




「だけど、もういいわね」

12時を知らせる鐘が鳴り、
彼女は言った。





「もう1度、告白してくれる?」

さっき自分で遮ったそれを、
もう1度、と……何故?

もしかしたら、脈有りなのだろうか。


「……はい。

 もしよかったら、
 僕とお付き合いしてください!」

「はい、喜んで」


……え、やった!