それからしばらく龍貴は私の家に来ることはなかった
お母さん曰く、今は事務所の寮を借りているらしい
だったら最初からそうすりゃよかったのに…
そしたらあんな風に家の前に女の子がくることはなかったのに…
と私は今だ外で龍貴の帰りを待つファンの女の子達を窓から見つめていた
「…そんなに…あいつがいいのか…?」
龍貴は確かに昔からモテていた
私の周りの女の子もみんな小さな龍貴にメロメロで、可愛がられていた
もちろんうちの両親も実の娘の私より、龍貴をかまってばかりで…
昔から私には龍貴に対して、いい思い出はない
「おまけにあの性格だしなぁ…」
ったく、つくづくムカつくやつ…