「…り、恵梨!」



「わっ!」


健介の声で現実へと戻される


「大丈夫か?なんか考え事?」


「あー…。き、今日はまだ2時間もあるな~って」



私は適当に話をごまかした


健介はすごく優しくて、面倒見がいい


他人が悩んでると、まるで自分の悩みのように考えてくれる人



「そっか…。恵梨は情報処理があるんか~」



健介はやんわりと笑いながら、私の核心には触れなかった



やっぱり優しい


ちゃんと気づかいができる人




「あ、じゃ今日4人でカラオケ行こうよ!」


いきなり舞が提案したが、健介はサークル、私はバイトがあったため、結局カラオケは次回になった



「…恵梨」


解散した後、小声で健介が私を呼んだ



「悩んでんなら、何でも聞くからな」


「…健介」



…こういうさりげなさも、やっぱり健介らしい



「大丈夫だよ!ありがとうね!」



私は笑って健介の肩を叩き、そのままカフェテリアをでた



…ああ



アイツも健介みたいに優しい優しいジェントルマンになればいいのに…と、やっぱり最後は思うのであった