上からピョンっと飛び降りてきた彼は
「お前、1年だろ?」
「そ…そうですけど」
彼はかっこ良かったけど
さっき言われた"チビ"に腹を立ててた私は
無愛想に返事をした。
そんな私を気にせず彼は続けた。
「俺は、高見涼介。よろしくな」
「え、あ、私は…」
「工藤優衣…だろ?」
「え?!何で知ってるの?」
「秘密」
口の前に人差し指を立てて
子どもみたいな無邪気な笑顔に
私は少しドキッとしてしまった。
昼休みが終わるチャイムがなり我に返った。
「わ、私行きます!!」
急いで行こうとする私の腕を彼は掴み
「またな」
と言って手を離した。
私は顔を赤くしながら教室に戻った。