「…何で、泣いてるの?」
ごめん。よりも、
もっと気になったことは、あなたの涙。
「…泣いてないよ。」
真琴、それは嘘だよね。
だって、私の視界に映るあなたは、涙を必死に止めようとしているんだ。私は…どれだけ酷い事をしたんだろう。
燐と紀龍の方に、自然と方向を変える。
燐と紀龍は、"行け、行け"と、合図をする。
私は、それに深く頷く。

私は、強くなる。

「…真琴、ごめんね?私――…」
また、私の言葉は遮られる。
「なんで冬実が謝るの?俺が…悪いんでしょ?」
真琴のその優しい性格に甘えた、私の行動がこんな結果を招いてしまった?

本当に、ごめんね。
ごめんなさい………。

「違うよ。…真琴、私ね…。」
その続きの言葉はもう、決まってる。