「放っておけるわけねぇだろ!じゃぁ何で泣いてんだよ!!」
初めて聞いた、真琴の怒った声は、とても低くて、怖かった。でも、どこかにやっぱり、"心配"とゆう名の優しさが見え隠れするんだ。
「………」
「先生、保健室行ってくる。ほら、行くよ。」
そう言った真琴の声は、またいつも通りになっていて。
本当は、どうしようもなく、嬉しかった。
心配してくれたことが、私の手を引いてくれることが。
でも、もう、無理。
私は、精一杯の力で動こうとしない。


グイッ。と視界が揺れたと思えば、真琴が先を歩いていた。

嫌だ。やめて。もうあなたを思うのは苦しい。
私に構わないで。
私の手を引かないで。
その優しい手で、私を引かないで。