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ユウキとお化け屋敷に入ったが、こいつ隣でうるさくて仕方ねぇ。
さっきから、ずっとこの調子だ。
造りものの落ち武者を見ては「ぎゃあぁ」お化けに、ふんする係員に後ろから追い掛けられては「ぎゃあぁ」……うるさいったらありゃしねぇ。係員に関しては、バレバレだったじゃねーか。
だから、置いて行こうかと考え、早歩きをしたが……


「待ってよ!置いてかないでよ」


と、腕を掴まれてしまった。


「お前は、乙女か! 」

あたしは、うんざりしていた。
その後も、お化けが出てくる出てくるたびにユウキは、悲鳴をあげた。


横のあたしは、とても冷めている。
ほんとは、あたしも暗いとこ苦手なのに。







……なんだこれ?





足元が泥沼のように沈んでいった。
底無し沼に吸い込まれていくような感覚に落ちいる。





「うわぁああ」

ユウキは、怖くて、叫びながら、来た道を逆走した。




「ちょっ! 出口は反対……」


あたしの声は届かない。



「これ、コンニャクじゃん」


一人取り残されたあたしは、呟いた。