「ねぇ……辞めようよ」
「お願い!1回だけっ! 」
あたしは、一生懸命お願いした。
遊園地来たら、絶対これ乗りたいって決めてたんだ。
「じゃ……じゃあ、俺は待ってるから……」
「仕方ないな。私も待ってるよ……」
ユウキと、モモカは、ジェットコースタ―の下のベンチで待ってることになった。
ジェットコースタ―の列に並ぶあたし達。
ジェットコースターは、人気らしくかなり混んでいた。
「すげ~な!
めっちゃ並んでる! 」
ワクワクするなぁ。
「ジェットコースタ―は、人気だからね! 」
「あたし、1回ジェットコースタ―に乗ってみたかったんだ! 」
「もしかして初めてなの? 」
「うん!
あたし、遊園地って来たことなくて……」
モモカから電話がかかってきて、遊園地に行くって決まったとき、最初は、そんな子供っぽいとこって思ったけど、よく考えたら初めてで、めっちゃ楽しみになって……中学生のとき友達と、カラオケやボーリングには、たくさん行ったけど、遊園地には行かなかった。
実は、ガイドブックまで買ってしまい……めっちゃ調べて、このジェットコースタ―だけは乗りたいって決めていた。
「えっ?
小さいときに連れて来て貰わなかったの? 」
「うん。
うち……離婚してるんだ。
だから、親忙しくってさ。
こういうとこ連れて来て貰えなかったんだ」
微妙な空気が流れた気がした。
「……そっか。
じゃあ今日は、目一杯楽しまなきゃね! 」
「おう! 」