8月23日 am10:10
雲一つない快晴。
のんびり空を見ていたい……って、やばっ……時計を見て焦った。
もう10時過ぎてる。
あたしは走った。
約束の時間、10時に駅前。
完全に遅刻だ。
「ナズナ、おっそ~い! 」
モモカは、待ちくたびれて怒っている。
「わりぃわりぃ」
って、来てやってんのになんで謝るんだ?
「ナズちゃん、おはよ~! 」
「はよ~! 王子! 」
「よっ!! 」
ユウキらしき人? が、挨拶をした。
「はじめまして。
……で、誰? 」
まじで、分からないわ。
「同じクラスのユウキだけど……小学校のときもクラス一緒だったじゃん! 覚えてない? 」
ユウキは、困った顔をした。
「へぇ~知らん」
「ほら、昔泣き虫だった」
王子が、見兼ねてフォローする。
「すまん。思い出せん」
あたしはキッパリと答えた。
その様子を見ていたモモカは、隣で笑っている。
「まぁ、とりあえず、行きますか! 」
モモカが言う。
遊園地は、駅から歩いて10分のところにある。
入口でフリーパスを買った一行は、遊園地に入った。