最近、王子がよく話しかけてくる。
しかも、毎日1回はバスケ部に入ろうと言ってくる。
王子が、あたしに話しかけるたびに、女子達が目を光らせる気がする。
あたしは気にしてないけど……。
今日も4時間目の授業中……。
「ナズちゃん、ごめん!
教科書忘れちゃった……見せて! 」
あたしは、1時間目からずっと寝ていた。
「……。
う~ん? 反対の隣の人に見せて貰えよ」
うるせぇなぁ……むにゃむにゃ……。
「……隣、壁なんだけど」
「壁ちゃんなんて、このクラスに居たっけ? むにゃむにゃ」
「か・べ! 壁だって!
……寝ぼけてる」
「うるさいなぁ……はい」
あたしは、寝ぼけ眼で、教科書を、王子の机に投げ、また熟睡した。
「……えっ?
ナズちゃん見ないの?
ってか、毎日こんなカンジで試験大丈夫なのかな……? 」