「やった! 入ったぁ! 」
すっげぇ嬉しい。
「あ~ぁ。引き分け。残念! 」
「それは、こっちの台詞だ!
今度は、絶対勝つからな! 」
負けてたまるか。
「負けないよ!
それに俺、諦めない!
ナズちゃんをバスケ部に入れてみせる!
試合してみて、再確認した……ナズちゃんは、強い! それに、バスケが好きだ!
なにか理由があるのかもしれないけど……バスケ絶対やるべきだよ! 」
「……」
あたしは、言葉が出なかった……。
「俺、何回でも誘うから! 」
そう言うと、ハルトは、バスケットボールをあたしに投げて、
「送ってこっか? 」
と、言った。
「大丈夫」
「そう?
いや、駄目だよ。
こんなに暗いし。
送ってく。
いや、違うな。俺が送りたい」
少し強引に、王子に手を引かれ、あたし達は、一緒に帰ることになった。