試合開始から5分経過。
あたしと王子は、互いに邪魔し邪魔され、まったくシュートを決められず……。
「ハァハァ……」
王子強えぇな。
スキが無ぇ……おもしれぇ!
ダンダンダン。
あたしがシュートを入れようとして、王子に壁を作られ、リングにボールを弾かれる。
「チッ……! 」
入らね~。
あたしは真剣だった。
なんか昔もこんなことやったな。……先輩と。
――10分経過。
あたしを抜いて、王子がダンクシュートを決めた。
「よしっ! 」
王子が、ガッツポーズをとった。
「チッ! これからだ! 」
くそっ!
やられた!
やっぱブランクが……身体が思うように動かねぇ。
「まぁ……頑張って!」
その余裕な笑顔。
なんかムカつく。