「そんで……なにしてんだ?
こんなところで」
こんな夜中に。あたしもだけど……。
「俺は、コンビニの帰り道。
なんか、そこ通ったら、バスケしてる人が見えて……。
ナズちゃんだったから、びっくりした。
ナズちゃんってバスケやるの? 」
王子は、興奮しているが、あたしは、とても冷めていた。
温度差を感じるほどだ。
「……まぁな。中学から始めた」
あ~ぁ。
王子とはあまり関わらないようにしてたのに……。
学校とかでもよく話かけられて、無視してたのに、こんなとこで会うなんて……今日は厄日か?
「まじか!!
しかも、さっきちょっと見てたら、めっちゃ上手いじゃん!
バスケ部入らないの?
うちの女バス弱小だから、ナズちゃん入ったら助かる! 」
「……入らね~よ」
絶対に。
「なんで? 」
「別にいいだろ。
あたしは帰宅部だ」
「もったいない」
なにも知らないくせに。
「王子には関係ね~よ」
やれるもんならやっている……。