ガイダンス中……。
「まず、最初に教務主任の渡辺先生お願いします」
「……それでは、教科についてですが、美術と音楽と書道の、どれか選択になります。
希望をとりたいので、その紙に書いて提出して下さい」
教務主任の渡辺先生が、説明をした後、紙を配ったが、“先公の頭”が気になって全然話しを聞いていなかったあたしは、なにをするのか分からなかった。
「くっく……あの先公ぜって~ズラだよな。ちょっとズレてるぜ」
あたしは、笑いを堪えて下を向いていた。
「うん。バレバレ……」
モモカも、必死に笑いを堪えている。
「多分みんな気付いているよな」
「ナズナ声、大きすぎ」
アイリが笑いを堪えながら、あたしの肩を軽く叩く。
「「くすくす」」
みんな、教務主任の頭が気になり、誰一人として、話しを聞いている生徒はいなかった。
その日から、渡辺先生のあだ名は「ズラ」になった。