「それに、トモカちゃん、3組あっちに並んでいますよ? 」
「あっ! ほんとだぁ。行かなくちゃ!
じゃあね。ナズナ、ユウナ! 」
トモカは、嵐のように去って行った。
「なんなんだアイツ。
ほんと騒がしい奴だな」
アイツのせいで、なんかどっと疲れた。
「……くすくす。
トモカちゃんは、昔からあんなですわ」
ユウナは、おしとやかに笑う。
ほんとに上品なお嬢様って感じ。
従兄弟なのにトモカとは大違いだ。
「確かに。
あの煩さはもう直らねーな」
2人で笑い合っていると……クラスメイト達が続々体育館から出ていく。
「あら、次は保健室で視力検査みたいですわ」
「あたし、目だけはいいんだ!」
「あら?
そうなんですか?
うらやましい限りです。
私、コンタクトですの」
ユウナ、コンタクトだったのか。
「そっか。
コンタクトって痛くね~の?」
「痛くはありませんわ。
ただ、最初ちょっと抵抗がありましたけど……」
「ふうん」
「あっ!
もうみんないませんわ。
ナズナちゃん行きましょう! 」
「おうっ! 」
2人は体育館を後にして、保健室へ向かった。