このやりとりを見ていたアイリが、あたしに話かけてきた。


「……あれが噂のハルト様だよね?
カッコイイ~!
すっごぉ~い!
ナズナ知り合いなの? 」

アイリは興味深々で目を輝かせている。
一方のあたしはというと、冷めた口調で、もうこの話題には触れないで欲しい気持ちでいっぱいだった。

「一応な……」

ほとんど初対面だけど。

「ナズナ、さっきから機嫌悪くない?
どうした?
体調悪い?
ハルト様ね、昨日だけでファンクラブ出来たらしいよ!
すごいねぇ~」

「いや、大丈夫。元気、元気。
ファンクラブ……って、まじかよ」


ファンクラブが出来るとか、アイドルか!
どんだけだよ。
どこがいいんだ……?
真剣に考えたが、考えたところで分かるはずもない。