「おはよう~ナズちゃん! 」

ユウナ達と話していると、王子が挨拶をしてきた。
王子とは、あんまり関わりたくねぇんだよな。
あたしは、王子に気付いていたが、わざと無視をした。


「ナズナちゃんに、挨拶しているみたいですよ? 」


ユウナ言うなよ……知らないふりしてんだから。
仕方ない。


「おはよ」


あたしは、聞こえないような声で、不機嫌そうに言った。


「今日、部活紹介らしいね!
楽しみだね!
ナズちゃん、なにかに入るんかな? 」

あたしのこんな態度にも、めげる様子がないポジティブな王子。

「……考え中」

「そっか」


自分でも冷たいなと思ったけど、その態度を貫いた。
そこで、王子との会話が途切れた。
そこへ、


「ハルト行くぞ~! 」


あたしの知らない、同じクラスの男子が叫んだ。


「おう! じゃあまたね! 」


王子は、爽やかに去って行く。


「ハルト様ぁ~待ってくださいましぃ~」


王子の後を、女の子たちが、金魚のふんのようにくっついてまわっていた。
相変わらず、騒がしい連中だな。