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――ジリジリジリ
時計が鳴る。
起きろと催促をする。
うるせ~なぁ……って、8時過ぎ?
「やっべ~遅刻だ!
」
あたしは、さっと着替えをし、階段を駆け降りた。
「ごめん。
母さん、朝ご飯いらない」
「せっかく作ったのに……。
ナズナちゃん食べてくれないの? 」
母さんは、泣きそうな声を出した。
「……分かった!
一口だけ食べて、トーストは持ってく! 」
時間ないのに……。
母さんに弱いあたし。
「行ってきまぁ~す! 」
パンをくわえて、急いで家を出た。
外は快晴で、雲ひとつない。
「はい。いってらっしゃい~」
母さんは、呑気に手を振っている。
「あぁ~遅刻だぁ」
あたしは、全力疾走をした。
「……ふぅ! ギリギリセーフ! 」
キーンコーンカーンコーン……
「あっぶね~」