「ナズちゃん、これ持ってて」
俺が、バックからネックレスを取り出して、ナズちゃんの手のひらにのせる。
「……?」
それは、シルバーのハート型のネックレス。
「僕の一番大切なもの……お母さんの形見だよ」
俺の母は、俺が生まれるときに亡くなっている。
母さんは元々、身体が弱く、俺を産むときに、身体がもたなかったらしい。
「いいの? そんな大切なもの!? 」
「いいよ……ナズちゃんが持ってて!
いつか、また会えた時に、返してくれればいいよ」
いつかきっとまた……巡り会えるように。
「うん!
分かった。大切にする! 」
俺は、ネックレスを取り、ナズちゃんの首に付けた。
「可愛い。似合ってるよ」
ナズちゃんの顔は、泣きすぎてまだぐちゃぐちゃだけど、ニッコリ笑った。