昼休み、あたしは、みんなの勉強を教え終えて、机で倒れていた。
そこへ、カリンがやって来た。
最近、カリンとユウナとトモカと一緒にいることが多い。
カリンとは、球技大会で、一緒にバスケをしてから意気投合し、今では、親友だ。
まだ、アイリや、モモカとのわだかまりは、溶けない。
貼紙事件の誤解が解け、クラスメイトとも、だいぶ話すようになったのだが……。
「ナズナ、大丈夫?」
倒れているあたしを、カリンが覗き込む。
「だ……め……」
あたしが、机に突っ伏しながら、か細い声を出す。
そこへトモカが、ニヤニヤしながら近づいて来た。嫌な予感がする。
「ナッズナァ~この宿題の数学プリントやっといて~!」
お……鬼ッ。
マジありえない。
「この姿見てなんか気付かないか? 」
きっとあたしは相当疲れた顔をしていたに違いないのに、トモカは、少し考えてこう答えた。
「あっ! お腹空きすぎて、元気ないん? 大丈夫! ここに、ポテチがあるから!」
トモカが、どこかからポテチを取り出す。
「ちっがぁ~う! そして、ポテチをどこから出した?
あたしは、疲れてんの! 人の宿題まで出来るかぁ!」