「ナッズナ~! 」

そこへ、トモカとユウナがやって来た。

「ナズナおめでと! って……どうしたん? 抜け殻みたいになっちゃって」

「あぁ……」

バイト……。

「ずっと、こんな感じなんだよ」

王子が苦笑する。

「ナズナちゃん、具合でも悪いのですか? 」

ユウナが、心配そうにしている。

「こういう時は、ナズナ!
優勝したお祝いに先生が、アイス買って来てくれたって!
いいの?
早く行かないと無くなっちゃうかもよ? 」

トモカが、言う。

バイト……アイス!?

「えっ? アイス? どこどこ? あれ? トモカなんでここにいるんだ? 」

「ほら! 直った! 」

「何が直ったんだ?
ってかアイスは? 」

「ナズナ優勝おめでと!」

トモカがニッコリ笑った。

「おぅ!
当然だろ! ところで、アイスは……?」

ちょうど腹減ってたんだ!

「アイス?
あっちで配ってたわよ? 」

「マジか!
じゃあ、行ってくるな! 」

あたしは全速力で走った。

「ちょっ……ナズナちゃん! それは嘘ですよ」

ユウナが何か言っていたが、残念ながらあたしには聞こえなかった。

「大丈夫よ!
そのうち諦めて帰って来るから! 」