窓から、照り付ける日差しで、体育館内は、とても暑い。
たくさんの生徒たちが、決勝を見ようと体育館に集まりだした。
うちのクラスの子たちも、準決勝のときより、多数応援に駆け付けている。



聞いた話しによると、うちのクラスは、サッカーが初戦で負けたらしい。
男子バスケも準決勝で敗れたようだ。
通りで、うちのクラスが多いわけだ。負けた生徒たちは、暇だからな。
なんて、あたしは、考えていた。
まだ始まらないのかな……?




「ナズナ~! 」

ぼ~っとしていると、誰かに呼ばれた。誰?

あたしは、辺りをキョロキョロ見渡した。

「こっちだよ! 久しぶり! 」

「ああ! ミカ先輩! 」

「よっす!
なんだよナズナ!
今日バスケ出るなんて聞いてね~ぞ!
卓球は、どうした? 卓球は? 」

ミカ先輩とは、引退してからも、たまにメールをする仲だ。

「卓球は、予想通り1回戦敗退ですよ」

「アハハ」

ミカは、笑う。

「笑いすぎっすよ。
バスケは、選手の子が怪我したんで、助っ人頼まれたんです」

「マジかよっ!
ナズナが、いなけりゃ楽勝だったのになぁ」

ミカが、冗談っぽく言う。

「いいじゃない!張り合いがあって。
ミカもナズナちゃんとやってみたいって言ってたでしょう」

この声は!

「カナミ先輩! 」


「ナズナちゃん、お互い頑張りましょうね」

カナミ先輩が、にっこり笑った。

「手加減なしだからな」

「はい!
望むところです! 」

「じゃあコートでな! 」

2人は、チームメイトのところへ帰って行った。