ユウナの試合を応援しながら、球技大会、暇だなぁ……なんて考えてると、あたしは、誰かに呼ばれた。



「ナズナちゃん、ナズナちゃん……お願いがあるの」



それは、クラスの女子2人だった。
1人は、茶髪の長い髪を巻いていて、真っ黒な瞳の純朴な少女。
あたしはこの子の名前を知らない。
片方は、髪が黒くて、ショートのボブの身長167センチぐらいの少女。コイツは、知っている。
確か、バスケ部のカリンだ。
バスケ部の夏の試合で一緒だった奴。


「あのさぁ、ナズナちゃんバスケに出てもらえないかな? 」

カリンが、言った。

「どうして? 」

あたしは、卓球だけのはず……。

「バスケの試合に出てた子が、怪我しちゃって、今出来る人を探してるんです」

茶髪の少女が、言った。

「私たち、バスケ組なんだけど、ナズナちゃんが、出てくれればほんと助かる。お願い!」

カリンが、頭を下げる。

せっかくの、のんびりタイムだけど、まぁいいか。

「卓球も負けたし、暇だから、いいぞ」

「「ありがとう!」」

2人が、笑った。

「あっ私、田中愛(たなかあい)って言います。
アイって呼んで下さい。ナズナちゃんとは、クラス同じだけど、喋ったことなかったよね。
今日の試合よろしくね」

茶髪の少女、アイが、自己紹介をした。

「おう!よろしくな」