俺達は、屋上へ向かう階段を急ぎ足で上った。屋上へは、この階段からしか行けない。

屋上の方から、女の子の集団が、ぞろぞろと歩いてきていた。


少女たちは、大きな声で喋っていた。
下の階まで、まる聞こえだ。




「アハハ!
ざまぁみろですわ」

「少しは、思い知ったかしら」

「これで、木崎ナズナもおしまいよ」

「ハルト様に近づくからですわ!
全く迷惑な」

「まぁ……ハルト様の快適ライフためですわ」



少女達は、階段を降りてきた。


「ナズちゃんをどうしたんだ? 」

先程の話しを一部始終聞いていた俺は、カナコちゃんにつかみ掛かった。

「「ハ……ハルト君(様)? 」」

俺には、余裕がなかった。
少女達は、驚いている様だった。


「どうしたと聞いている! 答えろ! 」

「えっ……あの……」

少女は、口ごもった。

「なにが、俺のためだ!
俺が、いつそんなことを頼んだ?
俺のせいでナズちゃんが……」

俺は、そう吐き捨てると、階段を駆け上っていった。俺は、必死だった。






ナズちゃん……無事でいてくれよ!