疲れたな。
昨日あんま寝てね~んだよ!
人の昼寝の邪魔しやがって。
あたしは、また寝転がり、すーすーと寝息をたてた。
男たちは、倒れたまま、ほったらかし。
すーすー
「ナズちゃん!
ナズちゃん」
んん?
誰?
「ヒロ……? 」
「ヒロ?
誰それ?
ナズちゃん……大丈夫? 」
あたしは、誰かにさすられた。
目を開ける。
太陽の光が眩しい。
「あれ?
王子? どうしたんだ? 」
そんなに形相を変えて……。
「どうしたじゃないよ……大丈夫なの?
ってか、この有様は何? 」
この有様?
「あぁ!
こいつら……まだのびてんのか」
ほんと、だらしね~な。
「のびてんのかって……これナズちゃんがやったの? 」
王子は、驚いているようだ。
「ああ。こいつらが、勝手に襲ってきたから倒した」
「倒したって……1人で!? 」
王子は、目が飛び出すぐらいびっくりしていた。
「あぁ……うーんと。
昔、護身術習ってたんだ」
嘘だけど……。
『昔、不良だったから喧嘩慣れしてます』なんて口が裂けても言えない。
「そうなんだ。
強いんだね。とりあえず、怪我がなくて良かった。ごめん、俺のせいで」
……?
「なんで王子が謝るんだ? 」
「俺のファンクラブがやったことだから」
「王子は関係ねーじゃん。
気にするな」
あたしは笑った。