授業中、あたしは、今朝、トモカが持ってきた貼紙のことを考えていた。
あ……王子に御礼言っとかなきゃな。



「なぁ、王子。
あのさ、朝の貼紙トモカと外してくれたんだって?
トモカが言ってた。
ありがとな」

「いいえ。大丈夫?
なんか、クラス中嫌な感じだけど。
あれ、全部嘘だろ?」

王子が、心配そうに言った。

「うん。大丈夫!
これくらいで、へこたれるあたしじゃないから! 」

あたしは笑顔を作って見せた。
うん。大丈夫!
こんなんへっちゃらだ。



「おい!
そこ! 喋ってるんじゃない! 」

先生が、あたし達を注意する。

「「すいませ~ん!……くくっ」」

あたしと、ハルトは、声が被って笑ってしまった。

「おまえら!
いい加減にしろ! 」

先生の怒鳴り声が、教室に響いた。