――バンッ!!!
教室の扉を勢いよく開けて、「ナズナァ~」と叫んで、トモカが2組の教室に入って来た。
トモカの勢いにみんな視線をこちらに向けた。
「これ見て! 」
トモカが、持って来た貼紙には、こう書かれていた。
『木崎薺は、援助交際をしている!おまけに、市川陽斗と二股をかけている! 』
と、書かれていた。
貼紙の真ん中には、知らないオヤジと、あたしが、ラブホから出てくる写真があった。
はぁ……?
なんだこれ?
「これがね、今朝、学校のあちこちに貼られていたの!」
だからか。
みんなの様子が、おかしかったのは。
「この人、誰? 」
トモカは、貼紙のオヤジを指して言った。
「知らね~よ!」
こんなん見覚えねぇ~し!
「やっぱり……合成写真ね。この写真、なんか粗いし。
素人のものね」
トモカ、お前プロか。
「誰だ?
こんなことしたやつは! 」
「分かんないけど、検討はつく」
「誰? 」
「確証はないけど……ハルト様ファンクラブ」
……あぁ。
前から、あたし目の敵にされてたからな。
――ガラガラ
担任が、教室に入って来た。
「あっ! まずい!
帰らなきゃ。じゃあ、また来るから。
あと、王子にお礼言っときなよ。
私と一緒に、学校中のこの貼紙剥がしてくれたの王子だから! 」
そう言い残すとトモカは、去って行った。