「じゃあ、あたしも遠慮なく……いただきまぁす! 」
美味い!
「ねぇ、ハルト君……俺の分は? 」
ユウキが尋ねた。
「んなもんね~よ!
食べたきゃ自分で買って来い! 」
王子は、アイスのように冷たかった。
ユウキは、諦めたようだった。
「王子は、食わね~のか? 」
「俺は、いいよ」
「甘いもの嫌いなのか? 」
「いや、好きだよ」
「じゃあ食えよ!
美味いぞ! 」
あたしは、アイスを差し出した。
一瞬躊躇った王子だったが、ぱくっと一口食べて、ナズナにアイスを返した。
「美味いだろ? 」
あたしは、自慢げに言った。
「うん」
やっぱ甘いものは、最高だよな!
それを見ていたユウキが、モモカに、
「アイスちょっとちょ~だい! 」
と、言った。
しかし、モモカは、「嫌です」ときっぱり断った。
「あ~美味かった。サンキュな。王子」
「ありがとう」
食べ終わったあたし達は、またアトラクションに乗った。
「ちょっ、ナズナちゃん回しすぎだって……」
「なんだよ。ユウキ、これくらい回ったうちに入らねーよ」
「ちょっ……ナズナ、ほんとこれは回しすぎだって……壊れる」
「アハハ。早いねぇ」
コーヒーカップ、メリーゴーランド、汽車、ゴーカートなど、遊園地の乗り物(絶叫以外)を、ほとんど乗り尽くしたあたし達は、帰ることにした。