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観覧車に乗ろうとしたら、ナズちゃんに閉められてしまった。
仕方ないから、モモカちゃんと後から来たボックスに乗った。


「なんで別々なんだ? 」

「ナズナ、ユウキ君と親交を深めたかったんじゃない? 」


「……」


マジで?
なんか、ナズちゃん、ユウキと楽しそうに話してる。


「ねぇ、景色綺麗ですわね」

「ああ」


なんか、イライラする……。


「あれ、男体山じゃない? 」

「……あぁ」


ナズちゃん笑ってる……。
2人は、何を話してるんだ?



「ハルト様、そんなにナズナが気になりますの? 」

「ああ……って、えぇ? 」

俺は、慌ててナズちゃん達から視線を外した。



「だって、ずっとナズナのほうを見てるんですもの……」

「い……いや……そんなことないよ?
そういえばさ、この後、どこ行く~? 」

俺は、無理矢理話題を変えた。

「わかりませんわ……」



「……」

しばらくの沈黙の後、地上に着いた。微妙な空気の中、観覧車を降りて、ナズちゃん達と合流した。