観覧車の中で、ユウキがすぐに話しかけてきた。
「なんで、別れて乗るんだよ?」
「モモカに頼まれたから」
「ふ~ん。ナズナちゃんは、それでいいの? 」
「なにが? 」
意味が分からない。
「うんと……まぁ。いいならいいんだけど……」
「なんだよそれ?」
あたしは、笑った。
「単刀直入に聞くけど、ナズナちゃんは、ハルトのことどう思ってるの? 」
どう?なんだそれ?
「友達だろ? 」
それ以外に、なにがある?
「あっそう……」
(ハルト全く脈なしか。可哀相……)
「じゃあ、ナズナちゃん、好きな人はいるの? 」
「……」
一瞬の沈黙の後……
「いるわけね~じゃん。
あたしは、これからも好きな奴は出来ない」
あたしは、幸せになっちゃいけないんだ。
「なんで? 分かんないじゃん」
あたしは、多分これ以上聞くなオーラを出していたに違いない。
「なんでもだ……そんなことよりユウキはいるんかよ? 彼女」
「えっ?
俺っ?
俺は……サッカーが恋人さ! 」
「…………さむっ」
「ひどっ」
「ぷっ!
……おまえ寂しいな」
あたしは、険しい表情から一転して笑っていた。