ナズナとハルトは、家が近く、いつも一緒で仲が良かった。
保育園の時からの付き合いで、いわゆる“幼なじみ”というやつだった。
今から8年前の春……。
小学3年生の時。
学校でハルトに呼び出されたナズナ。
体育館裏に咲いている満開の桜の木の下で……。
「ナズちゃん、好きだ! 結婚して!」
幼きハルトの決死の告白だった。
黙り込んで、少し考えたナズナの答えは、
「うんっ! 」
……イエスだった。
ハルトは、満面の笑みになった。
「ほんとのほんとにいいの?
やったぁ! 約束だよ!」
ハルトが、小指を出し、ナズナの小指に自分の指を重ね、指切りをした。
「うん! ナズナもハル君大好きぃ! 約束!」
こうして2人は将来を誓ったのだった。