―――バタンっ・・・・


「お父、さん・・?」

「花・・逃げろ・・!」

足がすくんで動けなかった。


お父さんが倒れた。
目の前には刃物を持った男の人。


怖くて

恐くて

なにもすることができなくて


立ち尽くすあたしにその男は一歩一歩近づいてきて


逃げることも
大声を出すこともできないあたしを守ろうと
あたしの前に立ったのは


「お、母さ・・ん・・・」

「花!!逃げなさ・・」

―――バタっ・・・・

「ハァハァ・・・」

息遣いが荒いその男は

お母さんを刺して


逃げたんだ。