涙が止まらないあたしの背中を朔兄はなにも言わずにさすってくれた。


「煉。頼む、こいつを空から見守っててやってくれ。こいつ泣き虫だろ?煉がいねえと、駄目だと思うし。俺からの最初で最後の頼みだ。・・花を好きになってくれて、ありがとう・・。」






朔兄、ありがとう。




「花、煉はお前の心のなかで生き続けてんだ。
お前は一人じゃねえ。」


「・・うん・・っ・・・。」


あたしは大きく頷いた。











――――6月10日。




彼は

桜川煉は



この世を旅立った。