気が付いたらそこは病院だった


傍にはイスに腰掛けながらあたしの手をしっかり握り

俯いている朔兄がいた


「さ、く・・に・・・」


パッと顔を上げた朔兄は少しやつれていた。


「花・・?花・・花・・。・・よかっ・・た・・・・。」


朔兄は

泣いていた


あたしが 

泣かせたんだ



お母さんとお父さんが死んでまだ

一ヶ月しかたってなくて

朔兄だって辛いはずなのに


あたしは


あたしは



朔兄を



傷つけたんだ。