「ただいまー。花??いないのかー?」

意識が朦朧とするなかで

朔兄の声がかすかに聞こえた。



こういう時

普通なら早く見つけてほしいものなのかもしれない


でもあたしはもう少し見つけないでもらいたかった



2階のあたしの部屋に近づく足音。


「花?あけるぞー」



だめ

だめだめ

だめだめだめだめだめ



――――アケナイデ・・。


あたしの願いも虚しく

扉は開かれた



「は、な・・・」



何が起きたのか理解できていない朔兄は

扉の傍に立ち尽くし、あたしを見つめていた


数秒間くらいだろうか

朔兄はハッと我に返りあたしの元へ駆け寄った



「花!しかっりしろ!!花!!!」