クリスも鼻梁の通った
美しい顔で微笑み返す


「よかろう。
だが…大きなリスクを払ってお前を離すんだ。

それ相応の成果を期待しているぞ。」

含みをもたせた言葉に
ジャンは頭を下げる


「必ずや
満足いく結果をご覧にいれましょう。」


話がまとまりかけた時

「お待ちください!」

ケシャの声が
部屋に響いた

そして
そのままクリスとジャンの前に跪く

「どうか
私もジャン様と同行させてください。」


「何を言う?」


驚くクリスにケシャは懇願する

「ジャン様お一人では
怪しまれるやもしれません。
ですが私の様な女が一緒ならば国境もスムーズに越えられるかと。

もちろん
女だからと弱音は吐きません。
ジャン様の足手まといにならないよう
全身全霊を尽くしますので…


どうか!!」


ケシャの必死の願いに
クリスはゆっくりジャンを見た


それに答えるようにジャンが頷く


「よかろう。
ケシャ。ジャンとともに行動し雪乃を助けて来い。」



「はい!!」


こうして

ジャンとケシャの一行はアレクサ帝国へ向けて出発し


遅れること一日
ついに
クリスの私兵隊軍が進軍した