クリスの最も信頼する側近たちである

「その後…調査はどうなっている?」

クリスの似つかわしくない低い声に
緊張が走る


「アレクサ帝国に送り込んでいた密偵から
報告がありました。」

開口を切ったのはシャンだ


「ユキノ様はブレイクの宮殿に監禁されているようで
ユキノ様の存在はアレクサ帝国皇室には知られておりません。

知っているのは
ごくわずかな側近のみかと…。」


「…という事は
今回の犯行はブレイク個人のものというわけか。」


「御意。
しかしながら
なにやらアレクサ帝国首都ミラの動きが活発になっているようで
近々…大規模なクーデターが起こると
民の間では広まっているようです。」


「クーデター!?
それは絶好の機会ですね。混乱に乗じて
宮殿内に侵入しユキノ様を救出できる。」

ゴルチェは興奮気味に話す
そんなゴルチェの横でポールが渋い顔をした


「ああ。
おそらくそのクーデターが最大のチャンスとなる。

しかし…。」

珍しく言葉を詰まらせるジャン


「どうした?」


クリスが先をせかす


「は。
密偵の話では
このクーデターそのものがブレイクの仕組んだもので
皇太子はこれを機会に皇后の失脚と皇帝即位を狙ってるとか。」



「なに?!」


ポールが声を荒げた