その姿を見て
クリスは何かを決意したかのように
顔を上げた


深い藍色の瞳が輝きを増す


「…我らはこれから
アレクサ帝国へ向けて進軍する。

目的はユキノ・カーシギの救出!

ただし
これはアルヴェス帝国と一切関係のない事として
内密に行うため

帝国を象徴する全ての装飾や武器の飾りは
取り除くこと。


敵はアレクサ帝国皇太子ブレイク・ロンソン。
強大な火の民の力をもつ冷酷な男。
出くわしたら自分の命を守ることだけを考えろ。」


「「はっ!」」


それから
細かな打ち合わせをして
小隊長たちは執務室を後にした


そのとたん
今までの兵士たちの熱気が消え

空気がピンと張り詰める

執務室に
残ったのは側近長官のジャン
ポール、ゴルチェ

そして
ケシャが呼ばれた