2人の勢いに押され…

面倒だ、スパゲティ食べよ。

…のびちゃうし。


俺は、無視して空腹を満たす事に切り替えた。

その間も、なにやら盛り上がっているが、俺の耳には届かない。


「よし、わかった!じゃあ『to be』の世界に飛び立つか!!」

「…はひ?」


俺が最後のスパゲティを、チュルンと吸い上げたところで、全てのカレーを胃に納めた卓が、肩を叩く。

話が見えない。見えるわけがない。

そして、いつの間にカレー食べたんだ?

話ししながら、器用と言うか、異常と言うか。


俺は、これからゲ−センに行くと言う、とても大切な用事かだな…。


「良太、『MC』で検索してログインだったよな?」


あ、今度は、俺が無視された。

勝手に、話が進んでるし。

てか、『MC』ってのは、『モバイラーチップ』の事か。

首の後ろに埋め込まれてる、極小のチップで、どういう仕組みか知らないが、チップ所有者間で、会話などが出来る。

他にも、買い物や調べ物と、用途は多岐に渡る…と、どこかの偉い人が、言っていた。

…あ、姉ちゃんに聞いたのか。

子供の頃の不確かな記憶だ。


「決して『マスターオブセレモニー』の略ではない。」と、言ったのは卓だったか。