金村卓(かねむらすぐる)。

高校からの連れだ。

大きな体に、短髪の一見いかついやつだけど、根は優しい…と、思う。


「じゃあ、俺寝てるから、ノートちゃんと書いとけよ?」

「おい、こら卓…。」


そして、俺以上に不真面目だ。

すでに寝る体制になっている。




あれから、3回講義に出た。

もちろん卓は、全部の講義で寝てた。


「お、終わったか?飯行こうぜ、飯。」

「んー、疲れた。おぉ、行こうぜ。」


学食はいつも通り、並んでいた。

俺と卓も、例に漏れずその列に並ぶ。


「今日なんにすっかなぁ。和彦なんにする?」

「俺は、あれだな。ミートソース。」

「あー、スパゲティか。そしたら、俺はあれだな、カレーだな。」


そしたらってなんだ?どうしたら、カレーになるんだ?

疑問は口にせず、トレイを持って、注文して、金を払う。

学食を見渡すが、やっぱり席がほとんど埋まってた。


「相変わらず早ぇな、どいつもこいつも。」

「どんだけ腹減ってんだかな。2階行くか?和彦。」

「んぁ?あぁ、そうだな。」


「せんぱーい!!」


「ん?」


「せんぱーい!こっちこっち!!」


あぁ、良太だ。

そういえば、一緒に飯食う約束してたな。


「お、やったな和彦。」

「おう、座ろうぜ。」


良太がカバンを退かして、俺たちの席を空けてくれた。


「サンキュー良太。」