ていうか、思ったより広いぞ?この格納庫。

これなら行けるだろ。


「あ、お客さんは?」

「はぁ…。」


広い格納庫に、余裕が出てきたから、客の事を聞いたら、溜め息混じりの答えが返ったきた。


「…気絶してましたよ。」

「な…。」


笑えねぇ…。

もしかして、減給?

てか、クビ?


「クビ…ですか?」


おそるおそる聞いてみた。

右手で顔を覆ってた須藤が、少し顔を上げて、ちらりと俺を見たと思ったら、また顔を覆って溜め息をついた。


「はぁ…。処分は、お客様次第ですが、とにかく急いで介抱して、心からお詫びしましょう。」

「マジか…。はぁ…ラジャー。」


セスナを格納庫に納めたところで、一気に力が抜けた。


「何してるんですか?早く、お客様を降ろしますよ。」

「へ−い。はぁ…。」


溜め息しか出ねぇ。


「よい…しょ!うへぇ、荷物以上に重いな、このばば…客様。」

「土屋さん…、反省してますか?」


ばば…お客様を、お持ち致しながら、ものっ凄く須藤に睨まれる俺。

これが世に言う、きゅうそ猫噛み…、きゅうす?


あ、違うわ。

蛇に睨まれた蛙だな。