俺の視線に気付いた須藤が、睨んできた。

気まずい空気になりそうなところで、タイミングよく管制塔から指示が来た。


「B-34応答願います。」

「お、はい!こちらB-34。」

「確認が取れましたので、3番滑走路に着陸後、98番格納庫に入庫してください。」

「ラジャー。」


着陸場所が決まって、さらに高度を下げた。


「あれか、3番滑走路。」

「着陸は、離陸に比べて、水平に保つのが難しいですから、慎重にお願いしますよ。」

「ラジャー。」


滑走路の直線位置になるように旋回して、着陸体制に入った。

計器は問題無いみたいだ。


「お客様。着陸しますので、衝撃に備えてください。」

「衝撃って…。他に言い方があるでしょうに…。」

「なんて言うんすか?」

「お手本を見せましょう…と、思いましたが、もう着陸しますよ。」


須藤の言う通り、すぐにセスナのタイヤが、滑走路を捉えた。

今度は、プロペラを逆回転させてブレーキをかける。


「ぐぉ!」

「いきなり、急ブレーキなどかけるからです!お客様大丈夫ですか?!」


叫ぶ須藤に、構ってる余裕などない。

想像以上に、機体の制御が難しい。


進入速度が、速かったのか?