遥か下に街並みを、見下ろす。
セスナだと、旅客機みたいに高くは飛べないけど、それでも『to be』の大陸が見えた。
広さ的には、関東とか九州とかそのくらいか?
遠くの方は、地平線だか水平線だか区別がつかない。
さらに海の向こうにも、島だか大陸だかが見える。
想像以上に広いな。
「もうすぐ目的地の、スペクタクル飛行場ですよ。高度を下げてください。」
「ラジャー。」
須藤に言われるまま操縦してきたから、目的地とか初めて聞いたわ。
いや聞き逃したのか?
スペクタクルって、どういう意味だっけ?
とにかくネ−ミングセンスねぇな。
「ボーっとしてないで、管制塔に着陸の許可を要請してください。」
「ラジャー。」
ヘッドセットを装着して、管制塔に連絡を入れる。
まもなく、声が聞えてきた。
「こちらスペクタクル飛行場。所属と機体番号を。」
「こちら太陽飛行場。B-34。」
「了解。確認と着陸場所を確保します。」
「ラジャー。」
俺完璧じゃね?
須藤は、もういらねぇな。
ふふん。
横目で須藤を見ると、書類に目を通していた。
すでに、俺の操縦に安心したのか、そうかそうか。