しばらく腕を組みながら待ってると、小太りのばば…お客さんが来た。

すぐに須藤…さんに、お辞儀して迎えるように言われ、嫌々ながらお辞儀をした。


「水沢様ですね?」

「ブハァ…ハァ…。そうよ!早く荷物持って!!」


ぶた…じゃない、おばさんは須藤の質問に答え、荷物を押しつけてきた。


「土屋さん、客室に荷物を固定してください。やり方はわかりますね?」

「ラジャー。」


面倒臭いが金のため、しぶしぶ、おばさんの荷物を受け取る。

あ、お客さんだった。


ぐぉ!…ムチャクチャ重いぞ、この荷物。

重いのは体だけにしろよ。

なんで須藤は、片手で持てるんだ?


「終わったぞ…ました。」

「ぞました?まぁいいでしょう。すぐに最終確認して離陸しますよ。」

「ラジャー。」


ついに初フライトだ。

うぉ−緊張してきた。


目の前のプロペラが、徐々に回転速度をあげ、前進していく機体。

滑走路を助走し、とうとう重力に逆らい始めた。


やっべぇ!俺飛んでる!!

俺が飛ばしてる!!


すげぇ!!マジ感動!!


ぐんぐん高さを増すセスナをコントロールし、目的地へ向けて滑空していく。


太陽が近い。