卓とみどりは、同じとこなのか。
どこまでも、仲がいいんだな。
2人はエスカレーターに乗り、さっさと登って行ってしまった。
寂し…くなんかねぇぞっ!!
「じゃあ先輩1人じゃ心配だし、一緒に行きますか。」
「おま…、バカにすんなよ?」
とか言いながら、しっかり良太に案内させる俺は、お茶目さん。
3階に着くと、今度はロビーを見下ろす感じになった。
通路の吹き抜けと反対側は、扉が延々と続いていた。
そのうちの1つ、交通機関と書かれた扉の前で足を止めた。
「ここで、説明を聞けますから、入りましょう。」
「あぁ。」
室内も、ロビーと同じく、白を基調とした造りになっていた。
部屋は思ったよりも広く、一度に10人程度なら、余裕で説明を聞けそうだ。
実際に3人が、説明を受けていた。
迷わず空いている窓口に向かう良太を、追いかける。
窓口と言っても、カウンターを挟んで、目の前にはおっさんが座っていた。
「どうぞ、お掛けください。本日は、どういったご用件で?」
「パイロットになりてぇんだけどよ?」
「かしこまりました。そちらの、手の絵が描かれた物に、触れていただけますか?」
俺の手元には、シンプルな手形が描かれた物があった。
それに手をのせると、すぐにおっさんが口を開く。
「ありがとうございました。土屋様でございますね。それでは、ご案内をさせていただきます。」
「おう。」
「パイロットになりたいと、おっしゃりましたが…、どういった物のパイロットか、というのは、お決まりでしょうか?」
「どういった?なんだ?飛行機以外にパイロットってあんのか?」
「かしこまりました。飛行機でございますね。それでは、飛行場へ行っていただくのが、よろしいかと存じます。」
俺の質問には、答えることなく、話が進められていく。
「飛行場?そこで飛行機がもらえるのか?」
「いえ、飛行場で雇ってもらうというのが、パイロットになる方法の一つとなっております。」