[あれぇ? 花那ちゃんよね?]



後ろから聞こえてきた、
甘ったるい声に振り向くと

そこには・・



[満里奈・・]



[久しぶりね!
私、実は好きな人がいてねぇ・・

蓮なのよ、私の好きな人]



たぶん、さっきのあたしなら
動揺を隠しきれなかっただろう。


でもね、今のあたしは
蓮を心から信じてるの。



[そう。]



[ッッッ!?]



冷静な あたしを見て
拍子抜けしたらしい満里奈。



[キスもしちゃったぁ♪
たぶん蓮も 私が好きなのよ〜

あっ!ゴメンね?
花那ちゃんって蓮と
付き合ってるんだよねー・・]



胸の奥から
もやもやが込み上げてきて

今にも爆発しそうになる。



[・・悲しいよ、そんなの。
蓮を好きな気持ちは
あたしだって一緒。

「好き」の大きさを
競うなんて間違ってるよ]



あくまでも冷静を保って
満里奈に、そう言うあたし。


どうか・・伝わって
あたしの思い・・―