「夏に、また掬ってこようかな」 仲間がいた方が、いいかな。 「でもお前、下手じゃん」 「ほっといて!」 この金魚は、僕が掬えた数少ない金魚だ。 でも例え掬えなかったとしても、 1匹はおまけにくれるはずだ。 餌をあげながら、そんな事を考える。 5年ぶりのお祭りは、 どんな風になってるだろうか。 今年の夏が、楽しみだ。 【3.すくってください 終】